日本は昔から自然の変動の激しい国で、漁をするのも畑を耕すのも自然の変化を予見しなければならなかったところから巫女が生まれ、その奪いあいから大王が生まれ、その権力の安定化を狙って天皇制が成立した、という視点から具体的、かつ、精彩に日本建築の歴史を解き明かした書。日本人の精神史としても興味深いものがある。
2006年 鹿島出版会
(なお本書中の「庭になぜ砂か?」の一部が、一橋大学の2007年の入試問題に採用されている。)